ガラスの防音性能・防音効果を徹底比較
単板ガラス5mm VS 複層ガラス(3/A12/3)
100 | 125 | 160 | 200 | 250 | 315 | 400 | 500 | 630 | 800 | 1000 | 1250 | 1600 | 2000 | 2500 | 3150 | 4000 | 5000 | 平均値 | |
複層ガラス(3/A12/3) | 19.4 | 17.2 | 19.5 | 17.9 | 16.8 | 16.6 | 19.1 | 22.4 | 26.1 | 30.1 | 33.7 | 36.8 | 40.4 | 43.4 | 44.3 | 41.6 | 31.2 | 34.1 | 27 |
単板ガラス(5mm) | 18.2 | 18.7 | 20.7 | 22.2 | 24.2 | 25.2 | 27.4 | 29.5 | 31.0 | 32.4 | 33.7 | 34.3 | 34.3 | 31.1 | 24.6 | 28.4 | 31.2 | 34.4 | 27 |
ガラスの防音性能は、厚さによって比例して向上するのは、異なる厚さの単板ガラスのグラフでお分かりいただけたと思います。
それでは、単板ガラスではなく、2枚のガラスで構成されている複層ガラスではどうでしょうか?
内窓に採用する透明な通常複層ガラスの構成は、3mmガラス/空気層12m/3mmガラスとなります。
ガラスの厚さは3mmと3mmですから、合計すると6mmの厚さとなります。
理論上は、5mm単板ガラスよりも防音性能は上のはずで、6mm単板ガラスと同等のはずです。
しかし、グラフを見てお分かりのとおり、約105ヘルツから1000ヘルツの周波数帯ではでは、5mm単板ガラスよりも防音性能が劣ってしまいます。
これは、同じ厚さのガラス2枚の複層ガラスが持つ欠点なのです。
同じ厚さのガラスを並べると、音の振動がガラスを通過する際に、音の振幅が増幅するためです。共振とか、共鳴などと言われる現象です。
条件にもよりますが、特に道路に面した家で騒音にお悩みの方の多くは、実はこの周波数帯の音に悩まされているのです。
防音目的で内窓を取り付ける場合のガラスの仕様としては、通常の複層ガラスは避けるべき仕様だと言えます。
しかし、複層ガラスは単板ガラスと比較すると、ガラス面でみる断熱性能は2倍以上の効果をもたらしてくれます。
窓の欠点である、音の侵入と、暑さ寒さの侵入の両方を防ぎたいと思うお客様は非常に多いのです。 どちらを重視するかによって、どちらかを犠牲にしなければならないのでしょうか
しかし、そう悲観することはありません。
複層ガラス仕様にすると、確かに5mm単板ガラスよりは防音性能は劣りますが、現状よりも良くなることに違いはなく、音が共振するからと言っても、今より音がうるさくなる訳ではありません。
通常の複層ガラスは、どちらかと言えば断熱重視で、防音はほどほどで良いケースの場合に適している仕様です。
ちなみに、いくらガラスを厚くしても、ガラスの質量は変わらず熱伝導率が同じなのですから、実生活の上では断熱性は全く向上しないと言えます。 断熱も防音も必要な場合は、ガラスの厚さを異厚にした複層ガラスが良いと言えるでしょう。
ガラスの厚さを異厚にするとしても、そのガラスの厚さが厚ければ厚いほど、防音性能は上がります。
逆にガラスを厚くすればするほど、複層ガラスにある空気層の幅が減ってしまいますので、欲する断熱効果と予算によって、Low-E複層ガラス(高断熱複層ガラス)にすることも検討すると良いでしょう。