防音対策
防音対策には防音サッシと防音ガラス
防音対策は、簡単に言うと外部の雑音・騒音から室内を遮断(遮音)することです。音を完全に遮断するのは難しく、できたとしても多額の費用がかかります。騒音で悩んでいる方は、そこまで望んではいるわけではありませんね。
「うるさくて寝付けない」、「真夜中や朝方に目が覚める」、「テレビや会話が聞こえない」など、受忍限度を超えた室内環境を「普通のレベルにしたい!」ただそれだけなのです。
よく「騒音に慣れた」と聞きますが、人間の体はそんなに簡単に納得してはくれません。
「眠りの質」、「疲れの取れ具合」が全然違うのです。
窓を二重にする、防音ガラスに交換することで、相当な防音対策となり、室内からの音漏れも防ぎます。
*ご希望のお客様は、騒音レベルを計測いたしますので、お申し付けください(無料) |
防音対策商品
インナーサッシ「インプラス」は現在の窓の室内側に、もう一枚サッシ(窓)を取り付ける内窓です。後付けで施工可能だから短時間の工事なので、安価で防音効果が高いのが最大の特徴です。窓が2重になると音の振動をさえぎり、さらに気密性が向上して、まずまずの防音効果を発揮します。
「費用対効果」の観点からすると現在の防音対策商品の中では、一番の売れ筋商品です。
賃貸物件の場合は、窓枠に穴をあけずに取り付けすることも可能です。
施工前 |
施工後 |
プラストは、各メーカーの内窓の中でも、最も防音対策に効果がある商品です。
防音対策は、内窓のガラスの仕様が非常に重要で、ガラスが厚ければ厚いほど防音効果は高くなります。
ところが、ガラスを厚くすると重量が増し、通常の内窓の戸車ではその重量に耐えられません。
プラストはレールと戸車の構造が違い、なんと60kgの重さまで荷重を支え、かつ開閉もスムースです。
気密性も高く、12mm厚ガラス仕様のプラストは鉄壁な防音対策となります。
インプラスと比較すると、金額はかなり高くなりますが、高い防音性能が求められるケースでは、選択肢は他にはなく、唯一無二の商品であると言えます。
プラストも賃貸物件の場合は、窓枠に穴をあけずに取り付けすることも可能です。
防音ガラス「ソノグラス」は、防音性能を持つ特殊中間膜を2枚のガラスではさみ込んだ合わせガラスです。
ソノグラスは音の振動を熱に変換し、音の波を消滅させる原理を用いたものです。
音域全体を高い遮音性能で室内への音の侵入を軽減させることによって、かなりの防音効果が得られます。
特に高い周波数に対しては、絶大な防音効果を発揮します。
サッシはそのまま、ガラスを交換するだけですので、工事は簡単・短時間で、価格も経済的です。
防音対策としてみると、防音ガラスへの交換だけで満足いく効果が得られるケースは少なく、インナーサッシとの組み合わせが不可欠といえます。
遮音等級は6.8mm厚が「T−2]、10.8mm厚、12.8mm厚が「T−3」等級です。
【音の不思議】
音は不思議なことに、同じ音でも人によってうるさく感じる人とそうでない人とがいます。時々「音に慣れた」ということを耳にしますが、この現象は脳が何度も聞いている音を騒音として認識する対象外とするからと言われています。
あまり良い例えではありませんが、人間の口臭は自分ではニオイを感じないように脳がコントロールしています。ニンニクが効いた料理を食べたあと、食べた本人はすぐに気にならなくなりますが、周りの人は1日中ニオイが気になりますね。この現象と同じと考えて良いでしょう。人間の脳はいわゆる「ごまかし」の能力を使って生活環境に順応しようと機能します。
「鈍感だから気にならない」とか「敏感だから」ということを聞きますが、実は鈍感と言われている人程、その機能がよく働き、順応性が高いのです。
静かな温泉宿に泊まった次の朝は「よく眠れた」と感じますね。寝ている間に脳がごまかしの機能を使わずに済み、蓄積された疲労を回復することに専念できるため、頭も体も疲れが取れてスッキリするのです。
【音の侵入経路】
騒音は家のどこから侵入してくるのでしょうか?防音対策を考えるうえで原因を突き止めることは肝心ですね。1番の侵入口は窓です。一般の木造住宅では約5割、RC造マンションでは約7割が窓からです。マンションの方が窓から入る割合が高いのは、壁・床・天井からの音の侵入を、分厚いコンクリートが防ぎ、隙間もほとんどないため、その分窓からの割合が高くなります。「窓」とひとくくりにしましたが、窓はアルミサッシとガラス面でできています。
まず、サッシを見ると「レール枠」と「障子」で構成されています。枠と障子の隙間は、皆さんが思っている程小さくありません。障子は軽快に動くように作られています。上下のレールと障子がキツキツでは障子は動きにくくて仕方がありません。軽い力で開閉できるように余裕をもたせて作られているのです。
また、サッシの枠には雨水の侵入や、室内で発生した結露を外に排出するようにレールを切り欠いたり、「水抜き穴」があり、音の侵入原因箇所の一つです。
次にガラス面です。壁とガラスを比較すると、壁の厚さは約15cmあるのに対し、ガラスは3mm 〜8mmしかありません。対8mmと15cm=8対150 ですから、ガラス面から音が伝わる確率が高いのは言うまでもありません。
【騒音の分類】
騒音は「量」と「強さ」に分類することができます。一般的に「デシベル」と言われているのは騒音の「量」です。周波数や音の質にもよりますが、同じ量の音でも音の強さ「音圧」によってうるさく感じるかそうでないか変わります。【音と周波数】
人間の聞き取ることのできる範囲は人によって多少の違いはありますが、一般的に低音は20ヘルツ、高音は20000ヘルツとされています。防音ガラスは周波数の低い音に対しては通常のガラスと比較しても防音効果はあまりありません。逆に中音域から高音域にかけて、音が高くなればなるほど防音性能が極めて高くなります。音源によって防音対策が異なりますので、自分を悩ませている音が何で周波数の高低を良く知っておくことが防音対策を講じる大前提と言えるでしょう。
【防音対策とガラス厚】
防音対策で、インナーサッシを取付けると防音効果はありますが、インナーサッシのガラスの厚さをどうするかによって、効果がかなり変わります。 気密性の高いインナーサッシによって遮音はされますが、ガラス面が9割を占める窓では、ガラスの防音性能がトータルでみた防音効果に非常に大きな影響を与えます。 ガラス厚は厚ければ厚い程、音の振動を抑えて室内に入り込む騒音を遮音してくれるのです。ガラスが厚くなればなる程、インナーサッシに負担がかかるため、ガラスを厚くする場合は重さに耐えられるインナーサッシにする必要があります。【防音対策とペアガラス】
ペアガラス自体に防音効果はあるのでしょうか。8割位の方が防音効果があると思われているようです。正解は・・・「ない」です。
しかし、「ある」か「ない」かは、防音性能がある商品として宣伝することができるかどうかです。遮音等級が「T−2」以上なければ防音効果のある商品として広告宣伝して販売することができないことになっています。
厳密に言えば、はガラスが2枚になって音源と耳との間に障害物が1つ増える訳ですから、当然防音にはなりますが、「防音効果はあるが万全な対策にはならずに不十分」というのが正しいのです。
ところで、通常の1枚ガラスよりもペアガラスの方が音がうるさく聞こえる音域(400〜500Hlz前後)があります。ペアガラスの2枚のガラス間で「共鳴現象」が起こり、音が増幅して1枚ガラスよりも騒音が大きくなるので要注意です。
【各社インナーサッシの防音性能・防音効果比較】
市場に広く出回っているガラスを使ったインナーサッシは、大信工業「プラスト」、YKKap「プラマードU」、旭硝子「窓窓」、トステム「インプラス」、三協立山アルミ「プラメイクE」の5つが代表的といえるでしょう。
では、どのメーカーの内窓が音効果が高いのでしょうか。よく、お客様からご質問をいただきます。様々な情報が飛び交う中、内窓自体の(ガラス面を除いた)防音効果は気密性が重要となります。
内窓の構造に加え部材の気密材(ゴムパッキン材やモヘア)が気密性の決め手です。下記ページから写真などを部材ごとに見て比較してみてください。